牛女ウガンダ奮闘記

牛女ウガンダ奮闘記

牛女のウガンダ留学語りブログ

ウガンダの家畜マーケット🐄カオスで人が暖かい

←読者になる??

f:id:ugandacowcowdiary:20190317012814j:plain



 

 

こんにちは。牛女です🐄

 

 

 

最近気づいたこと。

ウガンダは紫外線がやばい。

今更過ぎ👆(ウガンダ滞在5ヶ月目)

赤道直下+標高高い+毎日フィールドワーク

= やばいやつ。

 

f:id:ugandacowcowdiary:20190317041604j:plain

出典:環境省

 

 

標高高くて寒いこと多かったから

全然気にしてなかったけど

よくよく考えたらやばいもう数年でシミおばさん…

日焼け止め気が向いた時しか塗らんかった自分を恨む…

(月一くらい☺)

これからちゃんとケアします。←

 

 

 

ウガンダの家畜マーケットとは

 

f:id:ugandacowcowdiary:20190317042053j:plain

 

 

うちの獣医オフィサーが牛の見定めするとかなんとかで

家畜マーケットについて行ってみました。

 

 

 

ムバララとチルフラ(ムセベニ大統領の故郷)の県境にある割と大きめのマーケット。

一応メインロード沿いにあります。(全然舗装されてないしマタツも通ってないけど)

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005217j:plain

 

 



メインロード曲がってすぐ、何やらヤギと羊の鳴き声が!

ぅお!!!賑わってる!!!!家畜臭も漂ってきた!!!

やばい興奮する!!!!!!!!!!(変態)

ってな感じでテンション高めにマーケット到着。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005353j:plain

 

 

 

着いてすぐ広がる羊とヤギの光景。

因みに皆さんヤギと羊の見分け着きますか??

写真手前の絡み合う2頭が羊🐏

左奥に一頭佇む黒いやつがヤギ🐐です。

 

 

 

到着してまず感じたこと。

Chaos....... This is CHAOS.....

 

 

Chaos point その1;

動物が逃走してる

 

Chaos point その2;

追いかけてる間に他の動物が逃走してる

 

Chaos point その3;

明らかに不健康なやつが普通に売られてる

 

 

 

健康状態は全力でなんとかすべき問題やけど、

1と2は考えようよwww

と心で突っ込み入れつつ、

ヤギが逃げる方向に仁王立ちして囲い込むの

ちゃっかり手伝ってる私、だいぶ馴染んできたなぁ…

 

 

 

ヤギ・羊エリアを超えて奥に進むと牛エリアが。

 

 

 

仔牛から親牛まで広く区切られた空間に放たれてる。

売り子が何人かいて、それぞれ自分の売る担当牛があるようです。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005545j:plain

 

 

 

ゼブ牛 Bos primigenius indicus

インドとか南アジアで家畜化されたものが

暑さに強いとかでアフリカにも持ち込まれたらしい。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005512j:plain

 

 

 

どーーーーーーーーーーーん!!!!

アンコレ地域原産、アンコレ牛さん!!!!

かっけぇぇぇなぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005525j:plain

 

 

 

でも、牛は特に健康状態がよろしくない子が多い…

いつも訪問してる農家さんも牛の状態はピンキリやけど

ここまでげっそりでダニだらけ、毛艶悪い牛たちを一度に見るのは初めて…

 

 

 

ムバララでかなり大きな問題になってる吸血ダニ。

東海岸熱(ECF)という家畜疾病の病原体の運び屋。

数日かけて吸血して元のサイズの何十倍とかに膨張する。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005410j:plain

 

 

 

吸血するダニたち。吸血前は平ぺったくて小さいの。

だから毛の奥深くまで入り込む厄介な奴。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318010053j:plain

 東海岸熱とは

East coast fever(東海岸熱)とは、Theileria parvaという血液原虫が牛や水牛の血中に侵入することで生じる感染症。この病原体を媒介するのがコイタマダニで、感染ダニに吸血されると病原体がリンパ球・赤血球で発育・増殖し発熱や黄疸などの症状を引き起こし、致死率70%だそうな…

 

 

 

もうこのダニたちが遠くから見ても分かるくらい

乳房とか陰唇回りとか顔とか至る所についてて…

BCSもかなり低くて、明らかに真菌のやつもいて…

一体誰が買うんやろう。と思いつつ、

声かけてきた売り子セボに話聞いてみました。

 

 

 

この牛いくらするの?

仔牛(2歳)で2万円。成牛で6万~7.5万円だね。

 

安いね… 品種とか性別で値段変わるの?

関係ないよ、値段は全部体重で決まるんだ。

 

(まじか…病気でも健康体でも同じ体重なら同じ値段…)
じゃあセボはこの子いくらで買ったの?

売値の1/3くらいの値段だね。
この仔牛(2歳)は6000円で買ったよ!

 

まじで!?安いね…

こんなもんだよ相場は(笑)

 

 

 

とまあ、こんな感じのやりとりしつつしばらく雑談して、

そんな中で見えてきたこと。

 

 

 

 現地の人たち、

ダニのことめちゃめちゃ気にしてる

 

 

 

元気ない牛や死亡した牛は全部ECFだ!

と言わんばかりに熱弁してきはる…

そういえば獣医オフィスのラボにもよく

農家さんが血液サンプル持ってくるけど、

だいたいECFかブルセラかどっちかしか疑ってなくて。

さらに血液検査って言っても、

ギムザ染色とローズベンガルしかせんから

これで結果出んかったらなんてアドバイスするんやろ…

往診した方が絶対いいんやけど、

それはフィールド獣医がやってて完全分業やしな…

(フィールド獣医って言っても自称獣医が多いから知識と技術は非常に心配ではある)

 

 

 

大前提としてダニがいっぱいいるから

ECFの罹患率も高いという事実は存在するので、

みなさん必死にECF対策をしてます。

殺ダニ剤を定期的に放牧地に撒いたり、

ECFのワクチン打ったり 。

 

 

 

でも、こんだけしてても全然効果がない!

国は我々を騙してる!あいつらは薬を売れりゃいいんだ!

と憤慨しておられる方もちらほら。

実際イリーガルな殺ダニ剤出回ってたりするし、

新しい殺ダニ剤売り出しても成分前のやつと何が違うん?

ってこともあったりするし、

農家さん達が言ってる事実も実際あるんやろう。

 

 

 

でもね、

殺ダニ剤はずっと同じ成分のもの使ってたら耐性ついちゃうんですよ。

だから異なる成分の殺ダニ剤ローテーションで使おうね。

あとワクチンはそんな頻繁に打つものじゃないのよ、安全なものではないからね。

というアドバイスを資料見せつつ根気よく話してみたら、

「ぁ、そうなの?ぇ、この資料もっとちょうだい?」と。

 

 

 

なんて素直なんや…なんかいいことした気分…

殺ダニ剤は今政府がダニ調査したりしてて

新しい製品もお試しで無料配布されたりしてるけど

結局正しい使い方できてないんだなぁこれが…

これは、もっと色んな地域のオフィサー巻き込んで

レクチャーする機会が必要やなぁ…

 

 

人懐こくて素直なひとたち

  

 

実は私、最初はマーケットの雰囲気が掴めず少し緊張してました。

家畜を売る場所なので直接大きなお金が動く場所で

病気の子とかいるんやろうなということは想像できて

でもあんまりそういう所触れられたくないよなぁ

屠畜場で有鈎条虫とか出た肉を捨てろーって指示したら

殺すぞって脅されたって話も聞くくらい

現地の人にとっては売り上げに執着する場所なんやろう

ということを想像して行ってたので…

 

 

 

だがしかし、柵の外からじーーーーーと動物を見てると

こいつはいい羊だぞ90000シル安いぞ

Hey China! Hey Germany!(なぜGermanyチョイス…)

てな感じでめちゃめちゃ売り子たちが集まってくるので

これ何歳?大人はいくら?

めっちゃダニついてない?

とかちょっと突っ込んで聞いてみたりしたら

普通に答えてくれた。

「いや、ほんとダニはこの国のBig Issueだよ。

殺ダニ剤も効かないし云々…」

 

 

 

で、最後には「Photo me!!!!!!」って。

「ぇ、写真撮らせてくれてもお金あげないよ???」

「何言ってんだいいからセルフィ―しろ!」と。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005638j:plain

 

 

 

別の場所でしゃがんで黄昏てたら突然

「Camera! Photo!!!!!!」と。

めんどくさいなぁって素振り見せつつ

内心ルンルンで撮らせてもらう。

f:id:ugandacowcowdiary:20190317013603j:plain

 

 

 

f:id:ugandacowcowdiary:20190317012814j:plain

 

 

 

向こうから写真せがまれるの新鮮で

絶対スマホ隠し撮りしか無理やろなぁと思いつつ

ダメもとで持ってきてたカメラさんまさかの大活躍。

嬉しい……

 

 

 

そしてこのセボ、牛コーナーで牛とにらめっこしてる私に声かけてきた。

f:id:ugandacowcowdiary:20190318005403j:plain

 

 

 

最初声かけられた時はリサーチャーか?

って聞かれたのでちょっとドキッとしたけど、

酪農にフォーカスしたプロジェクトやってて

牛のバリューチェーン知りたいんだって素直に話したら

嫌な顔ひとつせず質問に全部答えてくれたセボ。

 

あなたはほんとに暖かい人です…

マーケットは毎週金曜日やってるからいつでもおいで。

Most welcome!やと…

 

 

 

マニアック余談

ニの分布について、現地のフィールド獣医さんから聞いた話をちょこっと紹介。ウガンダはcattle corridorという牛の飼養に適した気候と土地に恵まれたエリアが北東から南西に帯状に分布している。結構気候変動とか乳製品の調査で研究されてるエリアで有名らしい。

ムバララはcattle corridorにドンピシャ含まれていて、お隣の県チルフラに次いで酪農が本当に盛んな地域なんです。が、酪農が盛んなエリアということは牛にひっついてダニさんもたくさん生息するエリアということになり、やはりECFも結構みられるんでございます。

で、この前たまたまチルフラでフィールド獣医さんしてるセボがオフィスに検体持ってきたので話こんでまして。ダニの話になったところで、「知ってるか?ここはcattle  corridorに含まれるエリアなんだ。だからダニがいっぱいいる。ブシェニ(ムバララの北西1時間ほどにある県)はぎギリギリcattle corridorに入らないから農家の規模も小さくてダニもいないんだ。」と。

「え。こんな距離感でそんなに気候条件とか土地とか変わるの…!!!ムバララしか知らんからここがウガンダのスタンダードになっちゃってるよ私…!!!」

「You should visit and see a lot of places in Uganda.」やってさ…いぐざくとりー…

 

 

 

ダニのこと話し出したらもっと情報あるなぁ。

Cattle corridorもかなり奥が深い。 

ここらへんの話もつらつら書いていきます。

 

 

 

f:id:ugandacowcowdiary:20190319020347j:plain

いつものチャイ+チップスさんと供に

いつものカフェから牛女でした。

 

 

 

 

f:id:ugandacowcowdiary:20190319020349j:plain

このケチャップね、高くておいしいやつなんやけど

出す時どうがんばっても飛び散るし出すぎるのよね…

日本製品ってやっぱり素晴らしいなと思う瞬間。

 

Kale!